近山スクール東京ニュースNo22

2009年6月12日 近山スクール東京
177-003 東京都練馬区富士見台3-24-10 (事務局)
tel:03-5971-2309 / fax:03-5971-2329
E-mail:tokyo.scool@chikayama.com / URL:http://tokyo.school.chikayama.com
共催:芝浦工大オープンテクノカレッジ

近山の本の出版記念パーティを開催しました



出版記念パーティの様子

 4月に発行した『木の家をつくるために、これだけは知っておきたいこと』を読んだ方の感想が届き始めています。「こういう本は、これまで読んだことがない」、「面白くて、一気に読んだ」など、評価は上々です(まだお読みでない方、部数に限りがあります。急いで、急いで!)。

 そんな中、本作りにご協力いただいた方の慰労会を兼ねた出版記念会が、5月14日(木)に銀座ライオンで開かれました。講義録の掲載を快諾してくださった講師の皆様、ボランティアで校正をしてくださった受講生の方々にお集まりいただき、編集の裏話も交えて、楽しい語らいのひと時を過ごしました。


 予算の関係で1000部しか刷れなかったことに、「もったいない」という声が上がり、「予約を募って増刷するように」という貴重なご意見もいただきました。

 和やかな会でしたが、そこは近山スクール東京のこと。お酒が回るにつれて話に熱が入り、予定時間を大幅に延長して閉会となりました。その後、夜の銀座に繰り出した方々もいらしたようです。



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2月7日 第5講座「木造住宅の耐火性─木はどうすれば露わして使えるのか」の報告

 2008年近山スクール東京の第5回講座は「木造住宅の耐火性─木はどうすれば露わして使えるのか」とういテーマで行われました。遅くなりましたがご報告します。


安井さんの写真
安井昇氏
◆ 木造住宅は本当に火災に弱いのか 安井昇
安井昇(桜設計集団代表)

 第一講は「木造住宅は本当に火災に弱いのか」というタイトルで、早稲田大学理工学総合研究センター研究員で木の建築フォラム理事、桜設計集団代表の安井昇さんが昨年度に引き続き担当されました。

 過去の火災統計を見ると確かに木造の建物の火災が非常に多いため、木造は火事になりやすいと考えてしまいがちなのですが、実はこの統計の元になった母集団にもともと木造の建物が多いということがあります。

 しかし、だからといって全く問題が無いわけではなく、木造の火災において件数よりも重要なポイントは、建物が一気に大炎上して周りに延焼してゆくことだそうです。

 そのため防火に関する法規制は建物を不燃化することが目的ではなく、一気に燃え上がらないようにして周囲の建物への延焼を防ぐことを第一の目的にしています。木造の場合、石膏ボードを多用するのが主流ですが、石膏ボードを貼っても熱は伝わりますから決して燃えなくなるわけではありません。つまり石膏ボードは建物をゆっくり燃えるようにしているのです。構造が燃えてしまうと建物は倒壊し、倒壊すればさらに大炎上することになります。そうなると周囲への延焼の危険性はますます高まってしまいます。

 安井さんはじめ、木の建築フォラムではどのようにしたら木を露わして使えるのかということを、数多くの燃焼実験を通して研究してきました。その結果、板を十分な厚さで使い、炎が進入しないように隙間をきちんと処理してやれば、法的にも十分な防火性能が出るということが分かり、具体的な数値を出して厚板を使った落とし込み板壁の工法で防火構造の大臣認定を取得しました。同時に2.2倍の壁倍率も同時に認定されているそうです。準防火地域などの街中であっても外壁に木を露わした家づくりができることは木の家づくりにとって大きな前進だと思いました。




山崎さんの写真
山崎健治氏
◆ 木の家の防火性能を上げるには 山崎健治
山崎健治(こころ木造建築研究所代表)

 引き続いて第二講を担当していただいたのが、こころ木造建築研究所代表で、木の建築フォラム理事の山崎健治さんです。山崎さんは第一講の安井さんの話にあったような落とし込み板壁による木造の防火構造を静岡で実践しておられる方で、「木の家の防火性能を上げるには」というテーマで、普段ご自身がなさっている仕事の紹介を落とし込み板壁の具体的な施工方法も含めて聞かせていただきました。

 山崎さんは、建築設計事務所でありながら事務所の一角を大工さんに刻みの作業場として開放しています。また、山崎さん自らが木を一本一本見て大工さんと相談しながらどのように使うかを決めているのだそうです。それというのも、落とし込み板壁できちんと防火性能を出そうとすると抜け節があってはならないということもありますが、山崎さん自身の木の家に対する強いこだわりというか思い入れが感じられる話です。

 落とし込み板壁の実践については、4日かかるという建前の苦労話、微妙な厚さの厚板への釘打ちの難しさや、スイッチボックスの収まりの苦労など、非常に具体的に話していただきました。

 そのほか、ご自身が手がけた家の紹介や、地域に向けた情報発信の取り組み「ココラボ通信」の話、一般向けの勉強会など様々な取り組みを通して、地域の家づくりを積極的に推進している様子が分かりました。



Midori Kitajima